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■■も積もれば■となる
舞台:どこかの寺町
探索者:仕事上の知り合い
推奨技能:目星・聞き耳・図書館
想定時間:ボイセ 1 ~ 2 時間、テキセ 3 時間前後

KP向けメモ

時間制限は特に設けていませんが、シナリオの性質上、探索の進み具合を見ながらタイムリミットを決めたほうが緊張感があります。探索者たちが必要以上に寺町周辺などを特に”夜通し”続けるようなら、鬼が出現してもおかしくありません。
このシナリオを回す際、KPは物語の「語り手」として、描写例のような回りくどい口調を時折交えると、雰囲気が出るかもしれません。
※このシナリオは、賽の目乱舞っ!(閃華18)にて頒布したクリアファイルにお付けしていたものですが、通販などの予定がないため、通常探索者でも遊べるように改変・加筆したうえで公開します。刀剣男士探索者向けの背景や導入は頒布時のものから省かれています。

駅から寺町へ

【描写】

 こんなお話がございます。
 ある時皆さんは仕事で連れ立って寺町に行くことになました。普段は行かない場所で、まち並みもどこか情緒のある、そんな場所でございます。
 寺町に向かうには駅を降りてずうっと一本道で向かいますが、待ち合わせは夕方五時三十分となっております。さて、駅へは何時に参りましょう?
 それでは [ 数字 ] 人連れ立って石の敷き詰められた道をかつん、かつんと靴の音でなぞるように進んで参ります。田舎でございますから、こんな夕暮れになりますと家影も人影もぽつ、ぽつとしたものでなんとも寂しい雰囲気を感じます。
 しばらく進んで参りますと、「もし、」と若い男の声が致します。
後ろを振り返りますと男はまた、「もし、」と呼び水取りました後に「もし、旅のお方でございますか。これを、先の寺町へ......お願い致します」と言って一通の手紙を差し出します。

手紙

手紙はすべて美童への恋文である。聞き耳等に成功すると、滲んでいる赤いものが血であることが分かるだろう (0/1 の SAN チェック )
手紙の内容は、古い日本語で、かつ筆で書かれている。江戸時代のものなので、母国語ロールに成功したら、おおまかな内容は理解できるだろう。

探索者達は、駅で待ち合わせをしている。駅にはタクシーや店舗などは見当たらず、寂れた無人駅である。寺町までは歩いて数十分ほどである。

石畳の一本道である。ある時点で、探索者たちは混沌とした時空に足を踏み入れることになる。
そうして、そこを歩く探索者に、三度、別々の男が声をかける。(初めの男を含めて三回、それぞれ簡略化してよいので、同じ処理を行う)

男達

男達は寺町の美童に恋をしている。美童についてあまり言及はしない。手紙の宛先について聞くと、寺町に行けばわかります、と答えるだろう。男達の目的は、美童に自分の艶書 ( 恋文 ) を届けることである。男達が探索者を無理やり言うことを聞かせようとするかどうか、その程度は KP の判断に一任される。

☆注意

男達の目の前で手紙を開封すると、男の顔は鬼に変化し、「人の文を盗み見るとは、この狼藉者め!」と怒鳴りつけてくる。0/1D3 の SAN チェック。
この後探索者から手紙を奪い返そうとすることもあるかもしれない。もし、怒りが収まったなら鬼の顔は消えるが、本人に鬼の顔についての自覚はないだろう。
ステータスは一般的な人間と同じである。

寺町

目星 / 人類学に成功すると、「掘っ立て小屋」を見つける。また、寺町から出ようとすると、必ず元の入り口に戻される(0/1 の SANC)
【描写】

その1
しばらく歩きますと、寺町が見えてまいりました。なるほど寺町というだけあって寺が二十、三十と連なっております。しかし、どの寺に声を掛けてもどうやら返事はないようでございます。どの寺も、どの家も、明かりを消して、人の気配も致しません。
その2
辺りを見回しますと、ポツンと一つだけ明かりのついた寺がございました。もしかしたら他にも人の気配は見つけられるやもしれません。

掘っ建て小屋

聞き耳で、人の気配と、唸り声がすると分かる。目星をすると、紙切れ「生霊」を見つける
【描写】

その1

 近付いてみますとこりゃあもう襤褸小屋と言うにふさわしい小屋でございました。
 取っ手は外れ、木材は腐食し、手入れのされない軒先は悪路も悪路、隅に落ち葉が溜まっております。そもそもこれは人の住む場所ではないのではないだろうか?どちらかというと打ち捨てられた馬小屋のようにも見受けられます。しかし、確かに人の気配はここからして参るのでございました。

その2

  そおっと中に入ってみますと、痩せこけて襤褸を纏った男が一人おりました。男はふらふらと空中を見つめながら同じことを呟いております。曰く...「あの子はどこだ、どこへ行った、どこへやった、あのこ、あのこは...」

生霊のメモと男

メモ
「人の気持ちが強まるあまり、時に生霊となり人を取り殺すようになる。」( 隠れる +5)

外傷は見られないがひどく衰弱していることが分かる。完全に気をやってしまっていて、殆ど会話が成立しない。男に近付くと、彼は以下のような挙動をする。
【描写】
男のほうへ近づいてみますと、がっと突然男が機敏な動きで探索者を捉え、「化け物は、寺、寺から...」と言って、また元のように同じことを繰り返し始めました。

寺の門のあたりで必ず美童は寺には化け物が出るということを探索者に伝え、泊まらない方がよい、と伝える。探索者が頼み込むと、そこまで言うなら...と言って夕食(精進料理)と寝床を用意してくれる。
【描写】

その1

 キィ、と寺の門が音を立てますと、それに気づいたのか中から年若い少年が現れました。これはまさに美童と言って差し支えない、ましろの肌に、ついと切りそろえ垂れた艶のある髪、思わず目を引かれる容姿にため息が出ます。美童は視線を合わせると、鈴の成るようなこれまたうつくしい声で話し始めました。
「旅のお方でございますか」

その2

 ややって美童は、仕方ありませんね、とばかりに首を振ると客間まで案内をしてくれました。歩きながら眺めますとこの寺はかなりこぢんまりとしておるようで、本当に最低限の部屋しかないように思われました。
 寺の中に彼以外の気配はなく、恐ろしいほどにしいん、と静まり返っております。

寺の中

寺で出入りできるのは、「庭」「美童の部屋」「客間」「書斎」「浴室」である。

 特に何もない。供養を行う際はここを使用すると良いかもしれない

美童の部屋

 美童がいる。中に入ると、目星に成功すればさっと手紙を隠すことが分かる。美童は手紙を積極的には見せないが、特に手紙自体に執着はなく、捨てるに困って、自室の床下収納に山のようにため込んでいる。この山を見た場合、1/1d3 の SANC
美童に化け物について聞くと、みなが寝静まる丑三つ時に現れる、と教えてくれる(隠れる +5)
 お経を要求すると快く出してくれる。
 手紙を全て供養できていなかった場合、夜に化け物が発生する。

客間

美童が精進料理と布団を用意してくれる。入念に調べるか、目星に成功すると、布団の下の床下収納に非常に古い、火をおこすための道具がある。書斎で使い方を調べるか、1/2 知識に成功しなければ、火をおこすことが出来ない。

書斎

調べものが出来る。調べたいものを宣言し、図書館に成功した場合、KP は順次適切な情報を開示する。
<本の一覧>
1. 怪談の本
 見つけた後、内容を読むのに母国語ロールを要する。内容は、寺に出た鬼を、旅の焦慮が怨念のたまったものを供養することで退治した、というものである。僧侶はお経を読んだと記述されている。
2. 供養の方法
お経を唱えながら物を燃やし、灰にしなければならないとある。
3. 時の留め方
文字が滲んでいる。母国語:複数の時代の文字が混ざっている。どちらにせよ題名以外判別はできない。
4. 怪異:文車妖妃
文車は古く、帰属が火事の際に自宅の書物を避難させるために持っていた車のことで、文車妖妃は文車に顔を付けたような見た目で、女の恋文の想いがあやかしを生んだ、と書いてある。( 隠れる +10)
5. 寺の地図
寺の地図である。特におかしなところは見当たらない (隠れる +10)

~夜~

 供養を終わらせずに夜を迎えると、鬼が出る。起きていた場合、隠れる +20 の補正、寝て居た場合、POW*6で成功したら、鬼の誕生に気付き隠れる +10. それに失敗した場合、聞き耳を行う。成功で隠れるに +5、失敗では補正はない。また、これ以前の探索で手に入れた補正も加える。
 ここで隠れるを振らなかった場合は鬼に見つかり、外にほうりだされてクリア失敗となる。
 POW 対抗に成功するか、初めから起きていると、手紙が自分の元から飛んでいくのが分かる。それを追いかけると、美童の部屋に手紙が入り、ひょうひょうと蒼い火の玉を生む。それは床下から沸き上がるほかの火の玉と一緒になり、美童を取り込んで大きな鬼になってしまう。
 美童には鬼に関する記憶がなく、次の日に鬼のことについて話しても、化け物が夜な夜な人をとりころす、という、全日と同じことしか分かっていない返答が返ってくる。

 鬼は「坊主はどこだ、坊主はどこだ...」と探し回るが、朝まで見つけることはできない。探索者を見つけると、御前じゃない!と言って放りだされ、探索者は天高く飛ばされる。驚きと恐怖に 1/1d3 の SANC を行い、落下時に 1d6 のダメージを負って、探索者は現代に帰ってくる。
鬼をやり過ごした場合、鬼はすっと消えて元通りになり、無事に朝を迎えられる。手紙を供養するが、この時点で全ての手紙を供養できなくても、次の夜を迎えることはなく、元の場所に戻る。

美童

美しい見た目の年若い少年である。多くの男に想いを寄せられているが、どうも心には響いていないようだ。
大量に送られていく手紙には少し困っている。鬼のせいで人が取り殺されたり逃げたりしているのは認知しているが、それについては警告のみで深い感情は見られない。
どこか達観しているところがあり、探索者たちを泊める場合も、寝るまでは淡々と部屋で身支度をするか、手紙を床下にしまっている。
情報の開示を嫌がるわけではないが、鬼について多くを語らせるべきではない。「夜に出る」と「危険」ということが彼からわかれば十分だろう。

終幕

<鬼にほうり出された>
今のは何だったのだろうか、体中がみしみしと音を立てて、痛い、何も考えられえない。
報酬:なし
<手紙の一部を燃やした>
供養をした、確かに。しかし、あの奇妙な空間がまだ終わってはいない、そんな気がするのだ報酬:SAN 回復 1d3
<全ての手紙を供養した>
奇妙な記憶だ、奇妙な出来事だ。少なくとも、一人の少年を救うことが出来たと悟る。
報酬:SAN 回復 1d6

背景

美童の時間を止めたい男たちの執念が時間を混濁させ、恋の叶わぬその無念が鬼を生み出した。原因の手紙を供養することで、異常は元通りになる。元ネタは「艶書のしゆうしん鬼となりしこと」という諸国百物語の怪談。

[語り手]塵も積もればと申しますが、手紙が積もって、鬼にになるとはなあ...。

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